「金継ぎしたこの器、毎日の食事に使っていいの?」——金継ぎを始める方の多くが抱く疑問です。答えは「使った材料と使い方による」。本記事では、本漆の金継ぎと簡単金継ぎ(合成樹脂・パテ)それぞれについて、食器として使うときの考え方と、気をつけたい扱い方をまとめます。
この記事でわかること
- 本漆の金継ぎ・簡単金継ぎ、それぞれの考え方
- 材料を選ぶときに見るポイント
- 日常使いで気をつけたい7つのこと
本漆の金継ぎ:十分に硬化させることが前提
漆は昔から漆器に使われてきた天然素材で、本漆の金継ぎは日常の器として使われてきた伝統的な技法です。ただし、それは漆が十分に硬化していることが前提。硬化が不十分なうちは食器として使わず、乾燥の目安は説明書や講師の指示に従ってください。
また、漆は体質によってかぶれることがあります。作業中は手袋を着用し、肌に付かないよう注意しましょう。なお、金継ぎラウンジの漆金継ぎ スターターセットに入っている金色の粉は真鍮粉、銀色の粉はアルミ粉です。
簡単金継ぎ:材料の表示を確認する
エポキシ接着剤・パテ・合成樹脂を使う簡単金継ぎは、製品によって性質が異なります。食器に使うつもりなら、材料の表示や説明を確認して選ぶのがおすすめです。
金継ぎラウンジの簡単金継ぎキット(スターター・スタンダード・プロ)では、商品ページに記載のとおり食品衛生法に通っている合成樹脂を使用しています。漆は使わないので、漆かぶれの心配はありません。
一方で、簡単金継ぎで直した器は電子レンジ・食洗機の使用はできません。直火にかける土鍋などにも向きません。食器として使う場合も、次の扱い方を目安にしてください。
日常使いで気をつけたい7つのこと
- 熱い料理を長時間入れっぱなしにしない
- 油分の多い料理・揚げ物は控えめに
- 酸の強い食品を長時間入れたままにしない
- 電子レンジ・オーブン・直火は使わない
- 食洗機は使わず、中性洗剤で手洗いする
- 洗ったらすぐに水気を拭き取る
- 長時間のつけおき洗いはしない
心配なときは「食べ物を盛らない」使い方も
- アクセサリートレーや小物入れに
- ドライフラワーを飾る器に
- 香立てや飾り皿に
よくある質問
Q. 金継ぎした部分に口が触れても大丈夫?
A. 湯呑やカップの飲み口など、口が直接触れる部分の金継ぎは、心配であれば避けるのが無難です。食器として使うかどうかは、使った材料の表示を確認したうえでご判断ください。
Q. 子どもの食器にも使える?
A. 小さなお子さまの食器は、念のため飾りや小物入れとしての使い方をおすすめします。
Q. お店の業務用食器として使える?
A. キットは家庭での使用を想定しています。業務での常用はおすすめしません。
まとめ
金継ぎした器を食卓に戻すときは、「どの材料で直したか」と「やさしい扱い」が大切です。本漆なら十分な硬化を待ち、簡単金継ぎなら電子レンジ・食洗機を避けて手洗いで。迷ったときは、飾りや小物入れとして楽しむのもひとつの方法です。


