ひとくちに「器の破損」といっても、欠け・ヒビ・割れでは必要な工程も道具も異なります。自分の器がどのタイプに当てはまるかを理解するだけで、金継ぎの段取りがぐっと立てやすくなります。本記事では3タイプ別に具体的な手順とポイントをご紹介します。
この記事でわかること
- 欠け・ヒビ・割れの違いと見分け方
- それぞれに必要な道具
- 修復の流れと難易度
① 欠け(チップ)|難易度★
縁やふちの小さな欠損。エポキシパテで埋めて、やすりで整え、合成樹脂を塗って金粉(真鍮粉)で仕上げるのが基本の流れです。
必要な道具:エポキシパテ/耐水性紙やすり#400/合成樹脂/真鍮粉/面相筆
所要時間の目安:手を動かす時間は30分〜1時間ほど。パテの硬化と仕上げの乾燥でそれぞれ一晩〜24時間ほど待ちます(キットの説明書の時間を優先してください)。
② ヒビ(クラック)|難易度★★
器の表面にうっすら走る線状のダメージ。放置すると水分が染み込み、徐々に広がる恐れがあります。細い継ぎ目に沿って合成樹脂を流し込み、金粉を蒔いて補強します。
コツ:ヒビは見えにくいので、水を少量含ませると走っている方向が確認しやすくなります。
③ 割れ(ブレイク)|難易度★★★
器が完全に破片に分かれた状態。エポキシ接着剤で正確に位置合わせして接着し、はみ出しを削り、継ぎ目を金粉仕上げします。破片が3つ以上に分かれる場合は、組み立て順をあらかじめシミュレーションしておくのが成功のカギです。
破損状態別・おすすめキット
| 破損タイプ | おすすめキット |
|---|---|
| 小さな欠け1〜2箇所 | 簡単金継ぎ スターターセット |
| 複数箇所・大きなヒビ | 簡単金継ぎキット(プロ)(材料多め・筆やヘラも充実) |
| 大切な作家物の割れ | 漆金継ぎ スターターセット(天然の生漆を使用。漆は体質によりかぶれることがあります) |
扱いに注意したい器
- ガラス器:陶磁器より難しく、透明感も元には戻りません(金継ぎ教室(漆)では陶磁器に限り、ガラスは対象外です)
- 漆器:相性は良いが、色合いの馴染みに熟練が必要
- 金彩・銀彩の磁器:洗剤に弱いため作業中も優しく
向き不向きの詳細は金継ぎに向く器・向かない器で解説しています。
まとめ
欠け・ヒビ・割れでは工程の重さがまるで異なります。まずは自分の器を観察し、ふさわしいキットと方法を選びましょう。


